天板の反り止めについて
木材の中に含まれている水分(含水率)は、伐採直後では60%~100%程度。
伐採後、自然乾燥もしくは機械乾燥を行って含水率を13%~18%まで落としますが、この過程で材は大きく反ることになります。
天板の加工は含水率が下がり、材が一応の安定状態になってから行いますが、せっかく板の表裏を削り厚みを揃えても、何もせずにそのまま放置しておくと伐採直後ほど大きくはないものの、再び反り始めます。
木材には空気中の水分を吸収したり、放出したりして伸縮を繰り返す性質があるため、十分に乾燥した材であっても空気中の湿気を吸って含有率が上がれば木が膨らみ、逆に湿度が低くなれば含有率は下がり、木が縮みます。
この一連の動きが”木が呼吸する”ということになり、板が反る原因となります。
“木は呼吸することを永久に止めない”のです。
反り止め加工の流れ
↑板に溝を彫り、「蟻桟(アリザン)」と呼ばれる伝統工法で板の反りを抑えます。
↑組み込んで固定し(ビスや接着剤は使いません)木の摩擦だけで固定します。
ビスや接着剤で木を完全に固定してしまうと板が伸縮したとき全く動くことが出来ず、
割れることがあります。